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学会誌『介護福祉学』第27巻2号の論文の掲載取り消しに関する理事会報告

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『介護福祉学』第27巻2号に掲載された斎藤洋著「特別養護老人ホームの人材育成のあり方に関する研究―新人職員が感じる不安感の変容プロセス―」を二重投稿と判断し、「掲載取り消し」としました。

「掲載取り消し」にあたって、まず、公表と検索サイト(CiNii等)に対する掲載を取り消すこととしました。会員等に対しては、当会ホームページ上にて掲載するとともに、文書(次号のニュースレター及び『介護福祉学第』第28巻1号)をもって、お知らせする手続きをとりました。しかし、既に印刷・配付しているものを回収・再印刷・再配付することは、現実的ではないと判断しました。

他の学会では、一定期間の投稿禁止等の処分がありますが、初代会長の一番ケ瀬康子先生のメッセージの中に「学会活動をとおして実践的研究・教育を推進することをめざしています」とあるように、日本介護福祉学会には、研究活動を支援するという使命があると理解し投稿禁止等の処分は致しませんでした。

なお、判断した経緯と基準については下記の通りです。

  1. 二重投稿とは、印刷物あるいは電子媒体を問わず、既に出版された、ないしは、他の学術誌に投稿中の論文と本質的に同一の内容の原稿をオリジナル論文として投稿する行為である。
  2. 投稿した原稿と同一の調査で得たデータを使って執筆した原稿を他雑誌に投稿している場合には、当該論文を添えて編集委員会に提供するべきであるにもかかわらず、「介護福祉学」への投稿時に関連論文の添付がなされなかった。(日本介護福祉学会研究倫理指針違反)
  3. 「介護福祉学」第27巻2号に掲載された論文(1)と「介護福祉士」に掲載された論文(2)の目的・方法・結果を比較した。
    目的では、(1)の研究では、新人介護職員(以下「新人職員」とする) が持つ不安感に注目し,OJTを行う上で必要な支援を明らかにすることを試みる、(2)の研究では、多様な新人職員が入職後に受けたOJTの経験を聞くことで新人職員の成長プロセスを明らかにし、主要な課題を検討することを試みる、であった。
    調査方法では、(1)及び(2)は、同じ方法で収集された同じデータを使用している。同じデータを使用して複数の論文を作成する場合には、関連論文が存在することを記述するとともに、分析方法に明らかな新規性があることが明記されなければならない。当該論文には、そのような記述がなかった。
    結果では、(1)及び(2)において、抽出されたカテゴリーは本質的に同一の内容であった。